研究登録したARDS患者は20名、敗血症患者は59名まで増加した。結果はEMPs数については非ARDS群と同等であったが、ACE+EMPs数、ACE+EMPs/EMPs比はARDS群で有意に高く、ACE+EMPsはARDSの肺血管内皮傷害を反映すると考えられた。 また、急性肺傷害モデルマウスを用いた研究では、マウスから摘出した肺のACE値をウエスタンブロッティングで測定した。CLP群ではSham群に比べ、マウス肺のACE値が有意に低く、急性肺傷害モデルマウスにおける血中ACE+EMPsの増加と合わせて考えると、急性肺障害における結果、内皮細胞膜のACEが一部はACE+EMPsとして脱落したと推測され、このことからもACE+EMPsは急性肺傷害における血管内皮傷害を反映するマーカーであることが示唆された。 内皮細胞を用いた刺激実験ではZ-VAD-FMKやnecrostatinなどの細胞死阻害剤や、TNF-αによるEMPs放出に関与するp53の素材剤による前処置を行なったあとで炎症性刺激を加えた場合のEMPsの放出について検証した。EMPsはapoptosisを抑制するZ-VAD-FMKによりEMPsの放出が有意に抑制さえることがわかり、apoptosisの際にEMPsが放出されやすいことが明らかとなった。 これらの結果は第45回日本集中治療医学会学術集会で発表した。また2018年5月に 米国サンディエゴで行われる米国胸部学会で発表予定である。
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