麻酔・周術期管理が、術後のがん再発・転移に及ぼす大きな影響を検討するため、悪性黒色腫と肺悪性腫瘍患者を対象に、周術期における末梢血中に出現するBRAF遺伝子変異などのがん細胞DNA(circulating tumor DNA: ctDNA)の検出と、麻酔方法やサイトカインを計測した。BRAF遺伝子変異を持たない悪性黒色腫患者で、周術期に新たにBRAF遺伝子変異ctDNAが検出された例はなかった。対象を肺悪性腫瘍患者にも拡大しても、周術期に新たな変異するctDNAは検出できなかった。麻酔関連薬のctDNAへの影響を検討するには、末期がん患者における緩和ケアなどでの検討が必要と思われた。
|