本研究では、知覚神経指向性を示す狂犬病ウイルス1088株のG蛋白質を纏ったレンチウイルスベクターを作製し、慢性疼痛の遺伝子治療に利用可能な知覚神経指向性ベクターとしての適合性について検証を行った。1088株のG蛋白質を纏ったレンチウイルスの回収に成功し、さらにそのG蛋白質へのN型糖鎖の追加はレンチウイルス粒子の産生を亢進することが確認されたが、その産生量は水疱性口炎ウイルス由来G蛋白質による場合と比べると依然低く、今後、ウイルスベクターとして動物実験等により評価を行うためにはウイルス産生量を高めるための改善がさらに必要であると考えられた。
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