研究課題/領域番号 |
15K15576
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
中平 淳子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (30465603)
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研究分担者 |
南 敏明 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00257841)
澤井 俊幸 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (50368081)
中野 祥子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (50748176)
葛川 洋介 大阪医科大学, 医学部, 助教 (70749019) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 呼吸抵抗 / 呼吸リアクタンス / 全身麻酔 |
研究実績の概要 |
全身麻酔の前と直後でMostGraph-01によって呼吸インピーダンス(呼吸リアクタンスと呼吸抵抗)を測定した。気管チューブと声門上器具の使用を比較したところ、気管チューブで気道管理した患者における術後の呼吸抵抗の上昇が有意に大きかった。さらに、気管チューブを使用した患者において、気管吸引ありとなしを比較したところ、気管吸引ありの患者で有意に術後の呼吸抵抗の上昇が大きかった。吸入麻酔薬であるセボフルランと、同じく吸入麻酔薬で気道刺激性を有するデスフルランを比較したところ、術後の呼吸抵抗の上昇に有意差はなかった。いずれの研究でも、呼吸リアクタンスの変動よりも呼吸抵抗の変動が大きかった。呼吸インピーダンスにあたえる影響は、化学的な要因よりも、気管内への刺激によって生じる物理的な影響が大きいことが明らかになった。 また、術前の呼吸機能検査であるスパイロメトリーと呼吸インピーダンスの関連性を検討したところ、呼吸抵抗との相関関係はなく、呼吸リアクタンスと肺活量・一秒量に相関関係を認めた。術前の呼吸インピーダンスの測定はスパイロメトリーの代用ではなく、両者を行うことが理想的である。 術後の呼吸インピーダンスは本研究の対象者では、翌日にはほぼ術前と同じ程度まで回復していた。より長時間の全身麻酔患者、気管支喘息患者、肺気腫患者における、呼吸インピーダンスの変化を今後検討したい。 これらの研究成果を日本麻酔科学会学術集会、MostGraph臨床研究会で発表した。また、論文としてBMC Anesthesiol、Anesth and Pain Med、麻酔の雑誌で発表した。
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