心停止ドナー腎のタンパク発現量と活性を体外で制御し、冷保存再灌流障害を軽減する方法を探索した。尿細管上皮細胞いくつかの薬物を作用させると、3時間以内に14-3-3ζの発現、Aktのリン酸化は増強した。この処置済の細胞、14-3-3ζ強発現細胞株をUW液中で低温酸素化保存すると、何れもATP量は時間と共に増加し、生存シグナル関連分子のリン酸化が維持された。各種阻害剤を用いた検討により、このATP増加は消失した。低温酸素化灌流の細胞条件では、酸化的リン酸化が主要な経路であり、そのエネルギー源は細胞自体のタンパク質、脂質がオートファジーによって分解されて供給されていることが示唆された。
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