研究課題
最終年度ではWKYラットに限定して、心理ストレスによるラットの排尿状態の変化、膀胱でのCRF・CRF受容体発現、およびムスカリン受容体の発現、膀胱切片のムスカリン収縮の変化について検討した。ストレス負荷に伴う排尿パラメーターの変化については、1回排尿量には変化がみられなかったが、1日尿量の増加とともに排尿回数の増加も認められた。膀胱の各種受容体のmRNAをreal-time PCR法で測定したところ、心理ストレス群ではCRF、CRF受容体1、M3受容体のmRNAの発現が増加していた。さらに心理ストレス群の膀胱切片を用いた等尺性収縮実験ではカルバコール収縮が有意に増強し、CRF receptor 1 antagonistのantalarmin 10-6Mを添加しても、等尺性収縮に変化は認められなかった。これまでの報告では、Wister ratsにコルチコステロンを連続投与するとうつ症状と排尿筋過活動を引き起こし、CRF receptor 1 antagonistの同時投与はこの症状を抑制する(Int Urogynecol J. 2016)、あるいは寛解後の潰瘍性大腸炎患者の病状の再燃において、M2/M3受容体及びCRFを発現した好酸球の関与が指摘されている(Gastroenterology. 2)。膀胱におけるCRFとM3受容体の関連性は現時点で不明であるが、心理ストレスが膀胱発現CRFを介して膀胱収縮に関与している可能性が示唆され、さらなる研究を継続する予定である。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 9件、 招待講演 1件)
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