申請者が独自に作製したNrk (Nik related kinase) 欠損マウスは、分娩前後の母仔において、胎盤肥大、新生仔期貧血、新生仔期高死亡率、分娩不全という複数の興味深い表現型を示し、新しい周産期障害モデルマウスとして有用であることが明らかになった。 胎盤栄養膜細胞を用いた解析から、Nrk欠損細胞ではAKTリン酸化の増強に伴う細胞増殖の亢進が生じていることが明らかとなった。リン酸化AKTの発現上昇はNrk欠損胎盤でも確認され、胎盤肥大の一因となっている可能性が強く示唆された。 胎盤肥大以外の表現型のメカニズムについては本研究期間内には解明に至らず、解析を継続中である。
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