低酸素性虚血性脳障害(HIE)は分娩進行中に発生する脳性麻痺の主要原因となる。本研究は拡散反射分光法を技術を用いてHIE発症予知に有益な脳代謝光シグナルの同定を目的とした。新生仔ラットモデルを用いて光計測を行った。その結果、散乱振幅の低下が低酸素による脳のダメージの発生前に生じることが確認された。一方で、総ヘモグロビン量、酸素飽和度の変化は脳の不可逆的障害が発生した後に生じていた。以上より散乱振幅はHIEの発症予知、予防のためのターゲットとなる計測パラメーターであることが確認された。本研究の成果はHIEの発生低減につながる新たな分娩モニタリング法の開発に寄与すると期待される。
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