対象を婦人科悪性腫瘍とし、臨床検体からスフェロイド培養を実施し、合計卵巣癌5例、子宮体癌4例、子宮頸癌1例、子宮癌肉腫1例のスフェロイド樹立に成功した。次に幹細胞形質に関与するSex-determining region Y-box 2 (SOX2) 遺伝子に注目し、子宮体癌細胞株を用いてSOX2の機能解析を行った。SOX2発現は子宮体癌細胞株の細胞増殖に強く関与しており、細胞周期調節に影響していた。SOX2発現は類内膜癌の悪性度及び予後と関連し、SOX2高発現+p21低発現群では、統計学的に有意に予後不良であり、SOX2とp21が子宮体癌の予後分子マーカーになりうることを明らかにした。
|