研究課題/領域番号 |
15K15602
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
杉原 一廣 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (00265878)
|
研究分担者 |
村上 浩雄 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (10432212)
柴田 俊章 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (50529568)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 血清マーカー |
研究実績の概要 |
診断のために患者さんの血清から同定する分子は、必ずしも生体内で重要な機能を持たない分子でも、疾患特異的に存在するような分子であれば標的として有用である。このような分子は細胞マーカーや分化抗原(Differentiation antigens)のようなものであり、発現の特異性や量で探索が可能である。 疾患特異的な診断マーカーの候補となる可能性がある分子は、DNAチップなどを用いて比較的簡便に網羅的スクリーニングができ研究を進めることがでるため、これまでに数多くの探索が行われ、候補も数多く報告された。しかしながら、産婦人科領域の臨床現場では、依然、がん細胞表面に特異的に発現している糖蛋白質が血清中に移行した糖蛋白質抗原を認識するモノクロナール抗体が使われているのみであり、腫瘍マーカーとして診断精度は満足できるものではない。 本研究では、subtractive phage display library screeningやプロテオミクス、分子生物学的手法を駆使して、婦人科疾患に罹患した患者さんの血清に移行する特異的な糖蛋白質を同定し、優れた診断薬と診断法を開発することが目的である。 平成27年度に引き続き、平成28年度もsubtractive phage display library screeningを用いて婦人科領域の疾患に対する特異的血清マーカーの同定を継続している。現在、条件を精査しさらに有用な分子を同定すべく研究を継続中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は、subtractive phage display library screeningを用いて婦人科領域の疾患に対する特異的血清マーカーを同定した。さらに、より有効な診断マーカを同定するために諸条件を再検討し研究を継続中である。
|
今後の研究の推進方策 |
scFvをファージ表面に提示する antigan display paageをスクリーニング系に新たに加えてsubtractive phage display library screeningを行い、より優れた診断マーカーを同定する。また、抗体治療薬への応用も目指して研究を継続する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
既に購入済の試薬などを実験に使用したため物品費(購入費)が少なくなり、次年度に有効に利用することが可能となる助成金が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
分子生物学的実験で必要となる試薬類、使い捨て実験器具の購入のために物品費が必要であり、平成29年度に有効に使用する。また、研究成果のディスカッションや情報収集の目的で学会に参加する経費が必要であり旅費として使用する計画である。
|