研究課題/領域番号 |
15K15610
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
丸山 哲夫 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (10209702)
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研究分担者 |
内田 浩 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90286534)
升田 博隆 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80317198)
小野 政徳 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (70348712)
荒瀬 透 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (20348709)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 生殖医学 / 幹細胞医学 / 脱細胞化 / 再細胞化 |
研究実績の概要 |
本年度は、レンチウイルスを用いてGFPで標識したヒト正常子宮平滑筋組織由来細胞のcharacterizationを先ず行った。これらの細胞が、多数の継代を経ても高い増殖能を示すことは既に確認済みであったが、さらに平滑筋分化マーカー、エストロゲン受容体、およびプロゲステロン受容体を発現することを明らかにし、また、Gバンド法による染色体検査にて、染色体に異常を認めないことも確認した。これらの細胞を重度免疫不全マウスの腎被膜下に移植すると、組織容積は小さいながらも子宮平滑筋様組織を構築することも示した。以上から、この細胞は子宮平滑筋の特性を有する細胞として、今後の子宮筋腫発生モデルを作成するに適した出発材料であることが示された。これまで子宮平滑筋腫(子宮筋腫)の約70%にMED12遺伝子の変異が存在することが知られており、マウスにおいて子宮特異的にCre-loxPシステムを用いてMED12に変異を入れると子宮筋腫様組織が発生することが、本研究プロジェクトを申請した後に発表された (Mittal P, et al., J Clin Invest, 2015)。しかしヒト子宮由来の細胞において、MED12変異が筋腫発生の原因になり得るかは示されていないため、われわれは、CRISPR/CAS9システムを用いて、上記ヒト由来GFP標識平滑筋細胞にMED12変異を導入することを試みたが、様々な試みにもかかわらず、変異導入細胞がなかなか得られなかった。これは、導入効率が低いことやガイドRNAの配列に問題が有ると考えられ、様々な検討を行った結果、最も頻度の高い上位3つのMED12の変異パターンのうち、2つについては変異を導入することに成功し、現在それぞれの細胞を増やして解析している。現時点では親株に比較して明らかに高い増殖能は認められていないが、今後は筋腫特性の検証をin vitroおよびin vivoで行う。
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