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2016 年度 実績報告書

細胞内シグナル伝達から明らかにする気管再生機構

研究課題

研究課題/領域番号 15K15621
研究機関京都大学

研究代表者

大森 孝一  京都大学, 医学研究科, 教授 (10233272)

研究分担者 中村 亮介  京都大学, 医学研究科, 研究員 (40736708)
竹澤 俊明  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主席研究員 (50301297)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード気管 / 再生 / Hippo
研究実績の概要

YAP、p-YAP、LATS1、p-MOB1に対する抗体を用いて、コラーゲンスポンジを移植したラット気管欠損領域上で再生過程にある上皮を免疫染色したところ、これらの分子の局在は上皮再生過程の初期、すなわち扁平化して遊走および増殖過程にある上皮細胞はHippoシグナル不活化状態であり、再生過程の後期に見られる分化進行中の上皮細胞ではHippoシグナル活性化状態であることを示唆していた。培養不死化気道上皮細胞株を用いた実験からはsiYapの導入やYAP阻害薬による処理が気道上皮細胞のHippoシグナルを活性化に近い状態へ誘導することが示唆されたため、再生過程の気管上皮にこれらの処理を行うことで気管上皮細胞の分化を促進できる可能性が考えられた。実際に、ラット気管欠損にコラーゲンスポンジを移植して1週目 (移植領域が概ね上皮により被覆される時期) に、気管内腔から再生過程の上皮へとsiYapの導入あるいはYAP阻害薬の投与を行い、さらに1週間経過後に上皮の分化を評価した。免疫染色により、YAP阻害薬投与群の上皮はコントロールと比較して多列線毛上皮に近い上皮構造を呈している様子が観察された。また、走査型電子顕微鏡観察の結果、YAP阻害薬処理群では比較的広範囲で線毛が観察され、形成されていた線毛も長く、成熟化が促進されていることが示唆された。siYapには明らかな上皮細胞分化促進作用は見られなかった。したがって、本年度の研究より、YAP阻害薬処理が再生過程の気管上皮の分化促進に有効であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ラット気管上皮再生過程におけるYapの核移行阻害が上皮細胞に及ぼす影響2017

    • 著者名/発表者名
      中村亮介、吉江進、多田靖宏、大森孝一
    • 学会等名
      第16回日本再生医療学会総会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2017-03-09 – 2017-03-09
  • [学会発表] ラット気管上皮再生過程におけるHippoシグナル関連分子の局在2016

    • 著者名/発表者名
      中村亮介、野本幸男、多田靖宏、大森孝一
    • 学会等名
      第68回日本気管食道科学会総会ならびに学術講演会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2016-11-28 – 2016-11-28

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公開日: 2018-01-16  

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