研究課題/領域番号 |
15K15626
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿部 俊明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90191858)
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研究分担者 |
梶 弘和 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70431525)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 網膜色素上皮細胞 / マイクロ流路 / 活性酸素 / 低酸素 / VEGF |
研究実績の概要 |
27年度の目標:マイクロ流路を利用したさまざまな負荷に対する細胞反応評価・活性酸素測定・流路に組み込むバイオ電池作製の可能性を探る。 (1)生体適合ポリマーを利用してマイクロ流路を作製し、(2)マイクロ流路デバイスの特性を利用してさまざまな細胞培養を行い、その細胞に負荷を与え、(3)細胞応答をモニタリングしながら、活性酸素やグルコース代謝過程で発生する水素イオンを測定できる可能性を探る。 結果:(1)10ミクロンの細孔のアレイを有するポーラス化ポリジメチルシロキサン(PDMS)膜、および流路構造を有するPDMSモールドを作製した。(2)このモールドで作製した流路には細胞を培養できることも確認できた。また流路のインレットおよびアウトレットには、系統の異なるチューブを接続し、各流路への細胞導入、培地交換、流速や各種因子の濃度設定を独立で制御できるようになった。実際には網膜色素上皮細胞(ARPE)をこの流路から流し込み、流路内に培養できることを確認するとともに、アウトレットから回収される代表的因子として還流液中のVEGFの量を定量することが出来た。低酸素感知の重要転写機構であるhypoxia-inducible factor-1 (HIF)が作用するelement のhypoxia response element (HRE)をリピートさせGFPと結合させたベクター導入RPE(HRE-GFP-RPE)は低酸素に応答することを確認したが、この細胞の流路内培養がまだ成功しておらず、流路内のコーティングなどを変更している。この培養が可能になって時点で細胞反応と活性酸素発生の関係を検討する。さらに、順に重ねて接着させることで、3層の流路構造を備えたデバイス作製を予定する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マイクロ流路を作製でき、しかも網膜色素上皮細胞の培養が可能であった。さらにマイクロ流路のアウトレットからの回収液からVEGFの測定が可能であったために、これから流路の組み合わせと活性酸素応答測定の準備は出来た。
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今後の研究の推進方策 |
流路の組み合わせと活性酸素応答測定を行い、バイオ電池作製のために必用なイオン測定の可能性を探る。さらに、強膜あるいは関連組織と組織固定チャンバーも組み合わせ、デバイス強膜面側に金ワイヤーとアガロースを充填したアノード電極を作成する。
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