研究課題
ストレス負荷モデル(心不全モデル)、老齢マウスを用い視細胞変性が自然発症するかどうか検討を加えた。変性初期のサイン、マイクログリアの活性化についてはいずれも変化を観察することができなかったが、眼内サイトカインのレベルには変化があった。そこで、加齢マウスN-methyl-N-nitrosourethane(MNU)あるいはNaIO3といった視細胞変性を誘導することがしられている薬剤投与を行ったところ、ミューラーグリア、マイクログリアともにその活性化パターンはコントロールと異なっており、加齢による影響があることが示唆された。正常(若齢)、ストレスマウス、加齢マウスにおけるミュラーグリア、マイクログリアを表面抗原とセルソーターで単離し、その遺伝子発現パターンをRNAseqで解析することを目標としたが、これまで用いていたCd44が不安定で、再現性の良い単離が行えないため、ミューラグリア細胞を単離するためのマーカーを検索した。様々な表面タンパク質の抗体を試し、あるたんぱくの抗体が、視細胞を標識するCd73と組み合わせることによりセルソーターでミューラーグリアの単離に至ることが明らかになった。RNAseqのためにソーティングを繰り返して細胞を収集している。同様に、マイクログリアの単離も当初予定していたマーカーではマクロファージも含まれてくるため、別のマーカーを利用することにし、このマーカーにより集められた細胞群から予想どうりの遺伝子発現パターンを得ることができたため、RNAseq及びChIPseqように細胞を収集した。
3: やや遅れている
モデルマウスを用いってミューラグリア、マイクログリアが加齢などにより若年マウスと異なる性状を示すとことを明らかにすることができたば分子基盤の研究に移るためこれらの細胞を単離する段階で、これまで用いてきたマーカーがやや不安定であることが明らかになったため新たなマーカーを探すためにやや研究の進展が遅延した。しかし最終的に適切な、より良いマーカーを単離したため、やや遅れたが予定にしたがって研究は進展しておりまた遅れは取り戻すことができると考えている。
ほぼ予定どうりに進めるが、ChIPseqの系を小さくすることが困難であったため、計画中でも述べられているChIPqPCRで進めることが現実的であると考えている。
モデルマウスを用いってミューラグリア、マイクログリアが加齢などにより若年マウスと異なる性状を示すとことを明らかにすることができたば分子基盤の研究に移るためこれらの細胞を単離する段階で、これまで用いてきたマーカーがやや不安定であることが明らかになったため新たなマーカーを探すためにやや研究の進展が遅延した。一方、ChIPseqの系を小さくする条件検討を行ったが、少ない細胞数では結果が不安定になるため、当初予定していた通り、ChIPqPCRで実験を進めることにした。このため初年度に予定していたRNAseqが2年度の始めに行うこととなり次年度使用額が生じた。
次年度使用額を用いて、初年度に計画していたRNAseqをまず行う。この実験については、細胞表面抗原の選定が、すぐれた分子を見出したため、順調に進むことが期待される。続き、少数細胞からのChIPqPCRの条件検討も初年度に正確に完成したため、遅れを取り戻し、本来2年度に予定されていた、解析、機能評価を行う計画である。
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