研究課題
ストレス負荷モデル(stress-induced leaky gut modelなど複数)、老齢マウスを用い視細胞変性が自然発症するかどうか検討を加えたが、個体差が大きく、明瞭にストレスや老齢が原因で視細胞変性が起こっているという結果が得られなかった。このため、N-methyl-N-nitrosourethane(MNU)、NaIO3など、視細胞変性を誘導することがしられている薬剤投与のモデルを使って、変性の発症・進展について、時間軸をおって視細胞、マイクログリア、ミューラーグリアについて、その形態学的変化と遺伝子発現の変化を比較検討した。さらに我々の開発したタモキシフェン投与によって視細胞内でジフテリア毒素が発現し視細胞変性が誘導される系についても導入し比較検討をした。続いてこれらのモデルマウスを用い、正常時、変性時のミューラーグリア、マイクログリア、視細胞を特異的表面抗原とセルソーターを用いて単離し、RNAseqにより、遺伝子発現の変化を検討した。その結果、それぞれの細胞特異的に、変性の時間軸に伴って発現が変化していく複数の分泌蛋白質が同定された。これらを正常マウスの単離した網膜に転化するとミュラーグリアの活性化、あるいは変性時の過活性化が観察された。マイクログリアの活性を阻害する系の開発のため、マイクログリア阻害剤を練りこんがマウスの餌を注文し、これによりマイクログリアの活性化が抑制され、その結果視細胞変性、ミューラーグリアの活性化に影響があることが示唆された。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Glia
巻: 64 ページ: 2005-2024
10.1002/glia.23038