網膜変性疾患に対して脱落した視細胞を移植する網膜再生治療に期待が寄せられている。しかし現在、視細胞の再生の対象となっているのは網膜周辺部であり、高解像度の視覚を担う中心視野の再生は未だに手つかずである。その原因として、網膜中心領域の神経機能を正確に評価する方法がないことが挙げられる。本研究では、2光子顕微鏡システムおよびイメージングチャンバーなどを自作することで、網膜全層を撮影可能なこと、視細胞の核構造が発生・成熟とともに変化することを示した。以上より、本研究において網膜の発生過程および神経活動を細胞レベルで評価することが可能な2光子顕微鏡ライブイメージング法の確立に成功した。
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