研究課題/領域番号 |
15K15634
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
不二門 尚 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50243233)
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研究分担者 |
三橋 俊文 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (20506266)
神田 寛行 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50570248)
三好 智満 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70314309)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 調節 / 調節可能眼内レンズ / ハイドロゲルアクチュエーター / 経強膜電気刺激 / 水晶体 / 毛様体 / 虹彩 / 豚眼 |
研究実績の概要 |
加齢に伴い、現在のめがねなどによる矯正方法では生活の質が低下する、調節機能の喪失を根源的に解決する手段として、調節可能眼内レンズ(IOL)の開発を目指す挑戦的萌芽研究である。申請時の研究目的は 1. 経強膜電気刺激による精密に制御可能な調節可能IOLの開発 2. ハイドロゲルを使い,電流で機械的な力を制御する、新しいタイプのアクチュエーター(ハイドログルアクチュエーター)を用いた、乱視も制御可能な調節可能IOLを検討 であった。この目的に対する研究概要と成果は 1. 家兔に経強膜電気刺激を適用し、前眼部観察、小型波面による収差測定、低コヒーレンス断層像観察(OCT)により水晶体、毛様体、虹彩の変化を観察した。結果は、虹彩の変化は観察できたが、水晶体の変化が観察できず、家兎では経強膜電気刺激により調節を誘起することができなかった。先行研究によれば、家兎の調節はあったとしても大きな量では無い。また、本研究で判明したこととしては、経強膜電気刺激では、強膜の抵抗が大きく、予想以上の電圧が必要であり、本方法の延長線上での実用化は困難と判断した。 2. 新アクチュエーターを用いた実験は、当初、人工水晶体としてシリコンレンズを用いて実験を行った。しかし、強度や弾性、光学特性が満足したレンズの開発に時間を要することが分かったため、申請書の計画通り摘出豚眼の水晶体を利用することにした。豚眼水晶体を用いた実験のために、水晶体とそれに適用する新アクチュエーターを組み込んだ模擬眼を開発した。新アクチュエーターと模擬眼の基本構成は、本目的のために産業技術研究所関西センターの安積欣志氏と堀内哲也氏が開発した。結果として、0.4 diopter(D)程度の調節を観察することができた。豚眼を用いたため、調節量は小さいが本システムが機能することが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
豚眼の実験から、ハイドロゲルアクチュエーターを用いた調節可能IOLの可能性が確認ができたことが本研究全体にとって重要であるから。
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今後の研究の推進方策 |
27年度はレンズとして豚眼を使用して調節を確認した。豚眼の水晶体レンズは自然には調節しないので、ここで調節が確認できたことは、調節に最適なレンズを用いれば調節量が増加すると考えられる。2年目の研究の進め方としては、人工あるは他の動物のレンズで実験を行い、さらにアクチュエーターによる歪みを反映する高次収差は波面測定で確認することにより、調節機能の光学的な最適化を優先的に検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究で用いたアクチュエーターを研究開発している産総研関西センターに実験用アクチュエーターを無償提供していただけたこと、さらに共同研究に発展したため、模擬眼の製作など、実験に直接必要な部材も提供していただけたため、実験経費が予定より大きく下回ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
産総研の協力が得られて実験が進んでいるため、次年度はより実用的な研究を進めるため動物実験を推進する、そのための経費として、もっとも安価に実験できる家兎での実験として、動物1万円、研究者の交通費、実験施設使用料と補助員の人件費などを含め1回の実験で経費が10万円程度かかり、次年度5回の追加実験を予定しているので、次年度使用分に相当する50万円程度が見込まれる。
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