平成27年度でIFNAR1を欠損したマウス、野生型マウスにType I IFN(TNF-α、TNF-β)を投与したモデルマウスを用い、急性創傷の解析を行った結果を用い、平成28年度は以下の実験を計画遂行した。 まず、動物モデルを用いて急性創傷に対し、慢性創傷での免疫応答を比較検証した。STZ誘発糖尿病マウスを用いて創部でのType I IFN 産生、Type I IFN 誘導サイトカイン、Type I IFN 産生細胞について各々糖尿病マウス間で比較検証し、急性創傷との相違を検証した。 また、Type I IFN 制御による慢性創傷の治癒促進効果についても検証を行った。まず、満船創傷モデルにリコンビナントType I IFN を投与し、解析をおこなった。実験群は①INF-α投与群、②IFN-β投与群、③INF-α+INF-β投与群、④control群の4群であり、実験群間で創閉鎖率、炎症反応、免疫組織化学染色による評価、コラーゲン合成、サイトカイン・ケモカイン解析について比較検証をおこなった。 次に、炎症性サイトカイン、抗炎症性サイトカインのmRNA発現をリアルタイムPCRにて、タンパク産生をELISA法にて解析をおこなった。(炎症性サイトカイン:TNF-α、IL-1α、IL-β、IL-6、IL-12、IL-17 抗炎症性サイトカイン:TGF-β、IL-10) 以上の事により慢性創傷におけるType I INF の治療効果について当初の計画どおり研究を進めることができた。
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