研究課題/領域番号 |
15K15649
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
関堂 充 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40372255)
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研究分担者 |
足立 孝二 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70572569)
佐々木 薫 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10536220)
木田 泰之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 創薬基盤研究部門, 主任研究員 (20396526)
高山 祐三 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 創薬基盤研究部門, 研究員 (60608438)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 末梢神経再生 / 坐骨神経損傷モデル / 顔面神経不全麻痺モデル |
研究実績の概要 |
マウス皮下脂肪組織を採取し、酵素処理等を行って間質血管細胞群(stromal vascular fraction, 以下SVF)を調製した。SVFを、まずは非接着培養から培養を開始し、その後接着培養に切り替えて分化誘導する方法で、移植用神経軸索を作製させるための神経前駆細胞を作製することに成功した。続いて、SVFからコリン作動性神経細胞の誘導を効率的に行う条件の検討を行った。次に、微細加工技術を利用して、シリコンゴムの一種であるジメチルポリシロキサン(Polydimethylsiloxane、以下PDMS)製の培養チャンバーを作製した。 その上で、神経細胞の接着位置を固定する技術、および流体作用に基づいて細胞に一定方向の力学的作用を印加する技術を組み合わせて、SVFから誘導した神経前駆細胞の軸索伸長方向を制御した神経培養を上述のPDMS製チャンバー上で行い、移植用誘導神経軸索束の作製を開始した。
また、移植用誘導神経軸索束が完成した後に神経再生効果を検討するため、動物モデルへの移植実験に予定しているが、この際、分子生物学的解析に有利なマウスにおける神経損傷モデル(坐骨神経損傷モデル、および顔面神経不全麻痺モデル)を使用したいと考えている。このため、ラットにおける神経損傷モデルと同様に、移植部の予備的検討、移植術後の解析方法の予備的検討など、マウスモデルにおいての動物実験の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
移植用の誘導神経軸索束の作製が遅れている。シリコンゴムの 1 種である PDMS を用いて微細構造付き培養チャンバーを作製したが、チャンバーのコラーゲンゲル内に、誘導ヒト神経細胞の神経軸索がきれいな3次元細胞形態をもった伸長を示していない。何種類かのコラーゲンゲル組成を用いて検討を重ねている。
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今後の研究の推進方策 |
移植用の誘導神経軸索束の作製のため、何種類かのコラーゲンゲル組成を用いて、きれいな3次元細胞形態をもつ誘導ヒト神経細胞の軸索伸長の検討を継続する。 また、移植用誘導神経軸索束の作製が終了した際には、マウス坐骨神経損傷モデル、顔面神経不全麻痺モデルへの移植を行い、これら神経の再生効果解析を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
移植用の誘導神経軸索束の作製がやや遅れ、その後の実験が計画通りに進められなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
移植用の誘導神経軸索束の作製のため、現在、何種類かのコラーゲンゲル組成を用いて検討を重ねている。これがうまくいったところで、当初計画通りに実験を進める予定であり、このために次年度使用額を使用していく。
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