研究課題/領域番号 |
15K15657
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
森本 尚樹 関西医科大学, 医学部, 准教授 (40378641)
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研究分担者 |
覚道 奈津子 関西医科大学, 医学部, 講師 (00509490)
伊藤 蘭 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (00768921) [辞退]
河合 勝也 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (90273458)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 吸収材料 / 脂肪 / 埋入 |
研究実績の概要 |
本研究では、最終的に自家脂肪組織に置換される、インジェクタブル(注射可能) な吸収性人工材料の開発を目的とする。平成28年度は平成27年度に引き続き、脂肪に生体内で置換される吸収性材料の埋入、取り出し実験を行った。強度保持材料として、PLACL(乳酸カプロラクトン共重合体)とPLLA(ポリ-L-乳酸)の吸収性縫合糸をメッシュ状に編んだものに、コラーゲンスポンジ(CS)を組み込み作成した。ラット(F344)を用いて、そけい部の脂肪組織に接するように以下の5群を作成した。1.非手術群、2.sham手術群,3.吸収性材料(CS)のみ埋入,4.強度保持材料(PLACL、PLLA)のみ埋入,5.強度保持材料にそれぞれの吸収性材料を組み込んだ群を埋入し、3ケ月後、6ヶ月後、1年後に組織採取した(各群n=6以上)。これらの検体を埋入後3,6,12ヶ月で摘出し、脂肪形成を観察した。組織の観察は、脂肪重量、脂肪面積及びoil red O染色での脂肪組織の生成確認、抗CD31免疫染色による血管形成評価を行った。 また、埋入材料が生体内でうける圧力が不明であるため、計画当初は圧力フィルムを用いてラット及び白色家兎皮下の圧力を計測する予定であったが、将来の臨床応用を考慮し、臨床で使用されている組織拡張器の注入内圧を測定することとし、倫理承認を経てデータを集積した。具体的には、乳癌術後患者に同意を得て、組織拡張器の内圧測定を、開始時、拡張中盤、拡張終了時に行い、内圧の最大圧を測定した。 上記の結果がまとまったため、現在論文投稿中である。また、ラット実験での次の段階として白色家兎でも埋入実験を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラットへの埋入実験であるが、1.非手術群、2.sham手術群,3.吸収性材料(CS)のみ埋入,4.強度保持材料(PLACL、PLLA)のみ埋入,5.強度保持材料、それぞれの材料の、埋入後3ケ月後、6ヶ月後、12ヶ月後に組織採取は終了した。臨床で使用されている組織拡張器の注入内圧を測定についてもデータ解析が終了した。 また、中型動物である白色家兎への埋入実験も開始した。
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今後の研究の推進方策 |
このまま経時的に検体を採取し解析する。白色家兎についても検体採取を行う。 インジェクタブルな材料に関しては、作製方法について現在試行錯誤しており、平成28年度中に試作を行ったが、平成29年度も改良を加える予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は動物実験結果解析と臨床研究が主体であったため、物品費等が予定よりも少なかった。現在、次の動物実験を開始しており、平成29年度に次年度使用額も含めて使用予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
動物実験及び組織解析費用、学会発表経費に使用する。
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