BALB / cマウスにおいて盲腸結紮穿刺(CLP)を施し,敗血症モデルマウスとして,アドレナリン作動性β受容体シグナルの変容を解析した。 β1-アドレナリン受容体およびG蛋白の発現に統計学的有意差を認めなかったが,敗血症の進行によりβ受容体シグナルが減じることを確認した。敗血症病態の心筋では,ドブタミン刺激によるcAMPレベルは減少しており,敗血症においてドブタミンへの応答性が損なわれていた。細胞内情報伝達分子の解析では,PDE4Dが敗血症における心機能応答を調節する可能性を確認できた。敗血症性ショックに合併する低心拍出量患者に対して,PDE4D標的療法の有効性が本研究より示唆された。
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