研究課題/領域番号 |
15K15665
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大西 光雄 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (70597830)
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研究分担者 |
嶋津 岳士 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50196474)
姜 晋求 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (50721114) [辞退]
廣瀬 智也 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70597509)
松本 寿健 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (70644003)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 爆傷 / 衝撃波 / 中枢神経 / 反射 / 迷走神経 / 脳損傷 |
研究実績の概要 |
衝撃波が生体に与える影響を検討するための装置である衝撃波発生装置の開発を行った。装置の設計は文献(Jaffin, J.A. et al. A Laboratory Model for Studying Blast Overpressure Injury. J. Trauma 27, 349-356)を参考とし、装置に求める能力を以下の通りに定めた。高圧の圧縮空気を減圧し1500psiの圧力で150ml程度の容器に充填する。この容器内の圧縮空気で厚みが0.3~0.5mm程度で直径40mmの円形アルミ板の中心に直径20mmの穴を開ける。本研究では穴を開ける際に生じる衝撃波を利用するのであるが、衝撃波は球面波を形成するので、エネルギーは距離の二乗に反比例して急激に低下する。そのために再現性のある衝撃波外傷を作成するには対象物に対して正確に距離を定める必要があるため、衝撃波発生部分から対象物との距離を変更可能とし、また一定の方向に射出されるようにした。容器内に充填された空気を解放する際に使用する弁は、当初は電磁弁を用いる予定で設計したが、高圧ガス保安法上の問題や性能上の問題から変更する必要が生じたため設計変更や部品選定に時間を要した。最終的には、エア作動弁を用いることにより解決した。本年度は安全で簡便な操作性を有し本研究目的を必要不可欠な衝撃波発生装置を(株)フェニックステクノ社に制作を依頼した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究に不可欠である衝撃波作成装置の開発に時間を要した。 具体的には、衝撃波作成のための高圧圧縮空気を制御する弁を当初は電磁弁の使用を考慮していたが、空圧弁への変更する必要が生じた。また、強度計算など設計に時間を要した。 現在、装置は完成し、安定かつ安全に衝撃波を作成することが出来る状態となったため、研究続行の支障は生じていない。
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今後の研究の推進方策 |
衝撃波が生体に作用したときに生じる、徐脈・血圧の低下・無呼吸(あるいは浅く速い呼吸)が生じるメカニズムが。主として迷走神経反射であることは過去に明らかにしてきたが、更なる詳しいメカニズムに関して検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
衝撃波作成装置に用いる、高圧圧縮空気を制御する弁は当初、電磁弁を使用する予定であったが、強度・安全性の観点から再設計の必要が生じ、空圧弁に設計変更する必要が生じたことから計画時より装置作成費用が高額となった。
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次年度使用額の使用計画 |
装置は完成したため、今年度からは当初予定していた実験計画を継続する予定である。
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