障害細胞から放出され臓器障害や予後を悪化させるDAMPsのうち,我々はNPMに着目し,血液中の動態と予後との関係を既存のDAMPsであるHMGB1とヒストンと比較検討した。ラット敗血症モデルでは血中HMGB1は4時間,ヒストンは8時間後から増加し12時間後をピークに漸減したが,血中にはNPMは増加しなかった。HMGB1とヒストンとの間に高い相関がみられた。敗血症性ショック患者の血中NPMは,非ショック患者に比べ有意に増加し,SOFA scoreとの相関は最も高かった。新定義Sepsis-3では臓器障害が重視されることから,NPMは敗血症の診断,治療における重要なパラメータとなりえる。
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