研究課題
シェーグレン症候群(SS)をはじめとした自己免疫疾患の多くは閉経期以降の女性に発症することが知られており、エストロゲンが免疫システムに重大な影響を及ぼしているものと考えられている。本研究では、申請者がすでに同定しているSSの病態発症に重要なエストロゲン関連因子を応用して、SSの新たな診断法の開発を目指すことを目標としている。SSの新たな診断法を確立するために、すでに当研究室で同定されているRetinoblastoma-associated protein (RbAp)48を用いた病理組織診断の検討を実施した。その結果、閉経期以降の女性患者の中で、28.5%(8名/28名中)が生検小唾液腺組織の導管細胞に陽性所見を得る事ができた。また、ホルモン関連分子の探索として、妊娠期のマウス胸腺を用いた遺伝子の網羅的解析により、insulin-growth factor-binding protein 5 (IGFBP5)を同定した。加えて、SSの疾患モデルの一つであるアロマターゼ遺伝子ノックアウトマウスを用いた実験から、唾液腺細胞からMCP-1が強く分泌されることによって、標的臓器へのマクロファージ集簇の亢進が明らかになった。そこで、エストロゲンに関連するマクロファージが自己免疫疾患の発症に関与していることを報告した。一方で、患者血清、唾液を用いた診断法の確立に関しては、唾液中タンパク質のケモカイン類を網羅的に検討した結果、SS患者ではCXCL10の高い発現が確認され、現在、SS患者における血中でのエストロゲンの変動とCXCL10の発現の相関性を検討している。
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