病的に高度な骨破壊能を獲得した破骨細胞が特異的に発現する膜表面分子を検索することを目的とした。IL-1β存在下で形成される破骨細胞に極めて高度の酸分泌能及び骨吸収能を認めたので、この破骨細胞を病的活性化破骨細胞(PAOC)と仮定した。正常破骨細胞の最終分化に必須でありインテグリンβ鎖を活性化する分子の顕著な発現抑制がPAOCで認められた。更にPAOCの膜表面分子発現解析により、正常破骨細胞では認められない膜表面分子が検出された。「病的活性化破骨細胞のみを標的とする制御法」を開発する為の基盤的知見を得ることができた。
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