研究課題/領域番号 |
15K15678
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
美島 健二 昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
|
研究分担者 |
安原 理佳 昭和大学, 歯学部, 助教 (20453649)
河野 葉子 昭和大学, 歯学部, 准教授 (40195681) [辞退]
田中 準一 昭和大学, 歯学部, 助教 (40710166)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 幹細胞老化 / 唾液腺 / LRCs / 再生医療 |
研究実績の概要 |
Rosa26-rtTAマウスとTet0-H2B-GFPマウスを交配しdoxycyc1ineの飲水投与下でH2B-GFPを発現するマウスを作出した。交配7日後にdoxycyc1ine(1mg/ml、5%スークロース含)を含む飲水にて6週間飼育後、doxycyc1ineを含まない飲水に交換し12週間引き続き飼育した。マウスを頚椎脱臼により屠殺し唾液線を採取した。採取した唾液腺を4%パラホルムアルデヒドで固定後、15%スクロース/PBSで置換し、OCT Compound に包埋した。包埋した唾液腺凍結組織をクリオスタットで薄切し、共焦点蛍光顕微鏡を用いてGFP陽性細胞を検出した。その結果、散在性にGFP陽性細胞の存在が検出され、検出されたGFP陽性細胞の局在を同定する目的で、抗AQP5抗体(腺房細胞のマーカー)や抗α-SMA抗体(筋上皮細胞のマーカー)などとの2重染色を行った。GFP陽性細胞は排出導管や介在部導管の一部に局在し、腺房細胞には殆ど認められなかった。また、極めて興味深い所見としては、間質部分に局在しているGFP陽性細胞もみられた。 Kwakらは当該GFP陽性細胞が幹細胞ではない可能性を報告している(Kwak M., etal, Stem Cells Dev, 2015)。本報告の問題点は、幹細胞活性をコロニー形成能のみで評価していることにあり、マウス損傷唾液腺への移植モデルにおける腺組織再構築に関する評価を行っていない点が上げられる。したがって、我々は同様な方法で採取されたGFP陽性細胞の腺組織再構築能について慎重に評価する予定である。また、既に我々はCD133を指標にFlow cytometryにより唾液腺幹細胞の濃縮が可能であることを明らかにしており、当該手法を幹細胞の濃縮に応用することを検討している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Rosa26-rtTAマウスとTet0-H2B-GFPマウスの交配が順調に進まず、当初予定していた解析に必要数のマウスの作出が滞っていることによる。
|
今後の研究の推進方策 |
当該手法により作出されたGFP長期保持細胞が、必ずしも幹細胞ではない可能性が指摘されたので、その場合も想定してCD133をマーカーとした幹細胞の単離も進める予定である。すでに、老齢C57BL/6マウスの解析準備は整えているので、当該研究目的の達成は可能であると考えられる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況により予定していた受託解析が実施されず未使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
本年度実施予定の受託解析に使用する予定である。
|