研究課題/領域番号 |
15K15684
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中西 博 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20155774)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ミクログリア / ジンジバリス菌 / 生体イメージング |
研究実績の概要 |
ジンジバリス菌におけるフラビンモノヌクレオチド結合蛍光タンパク質の過剰発現は当初計画通りに進めているが、蛍光強度が弱く二光子共焦点レーザー顕微鏡を用いた生体内での検出には至っていない。そこで、ミクログリアを可視化したCXCR1-GFPマウスを用い、ジンジバリス菌の脳内への直接的な局所注入に伴うミクログリアの反応について解析した結果、周囲のミクログリアはジンジバリス菌の注入部位に突起を伸展させて注入部位を取り囲むことが明らかとなった。さらに、ジンジバリス菌の死菌でもミクログリアの突起伸展反応は誘導されたが、ジンジバリス菌の培養上清の局所注ではこのような反応は誘導できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ジンジバリス菌においてフラビンモノヌクレオチド結合蛍光タンパク質の過剰発現を進めているが、蛍光強度が弱く二光子共焦点レーザー顕微鏡による生体内での検出には至っていない。一方、CXCR1プロモーターによるGFP発現でミクログリアを可視化したCXCR1-GFPマウスを用い、ジンジバリス菌の脳内への直接的な局所注入に伴うミクログリアの反応について解析した結果、当初予期していなかった反応が得られた。即ち、周囲のミクログリアはジンジバリス菌の注入部位に突起を伸展させ、突起で注入部位を取り囲むことが明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
フラビンモノヌクレオチド結合蛍光タンパク質の過剰発現に加え、蛍光色素で直接的にジンジバリス菌を可視化する方法も検討する。さらに、ジンジバリス菌の局所注入に対するミクログリアの突起伸展反応メカニズムの全容を明らかにする。ジンジバリス菌の培養上清の局所注によってもミクログリアの突起伸展反応は誘導されることから、ジンジバリス菌の放出する液性因子の同定を行う。さらに、ジンジバリス菌の脳内への直接的な局所注入に伴うミクログリアならびに樹状突起スパインの形態を二光子共焦点レーザー顕微鏡を用いて経時的に観察を行う。
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