研究課題
舌根沈下に関与する中枢機構を解明するため、今年度は、除脳ラット灌流標本を用いて高二酸化炭素負荷を行ったときの舌筋の運動神経である舌下神経を含めた上気道の開大筋運動神経の活動パターンの変化を解析する実験を行い、特に強制呼息の指標となる腹直筋の運動神経活動との関連についても解析を行った。生後3-4週齢のWistarラットを用いて、イソフルレン麻酔下にて横隔膜直下で下半身を離断し、上丘の前端で除脳を行い、下行大動脈の断端からカテーテルを挿入し、送液ポンプを用いて人工脳脊髄液を灌流し、除脳ラット灌流標本を作製した。舌下神経活動のほかに、舌骨下筋を支配する第1-2頸神経、声門内転筋および外転筋を支配する反回神経、課員等収縮筋を支配する上喉頭神経、腹直筋運動神経の活動を横隔神経の活動と同時に記録した。炭酸正常状態(5%CO2)では、頸神経と舌下神経が上喉頭神経と反回神経にわずかに先行して活動した。高炭酸ガス血症(8%CO2)では、記録したすべての上気道筋運動神経で前吸息相に活動が出現し、その振幅が増大した。また上気道筋の前吸息相の活動は、強制呼気によって出現した腹直筋活動と相関することが明らかとなった。高炭酸ガス血症におけるこのような上気道筋群の活動は、声門開大前に気道を十分拡張させて換気を促進すると考えられる。舌根沈下は、これらの調節メカニズムが何らかの原因でうまく機能しなくなったものと推察される。また、各筋の活動調節メカニズムの基礎を解析するために、ラット閉口筋運動ニューロンの樹状突起へのグルタミン酸性入力の発育変化や、同ニューロンに対するプレモーターニューロンの入力様式の解析を行った。その結果、生後2-5日齢の閉口筋運動ニューロンでは樹状突起にNMDAスパイクが出現したが、生後9-12日齢では消失し、プレモーターニューロンからの入出力ゲインが低下することが明となった。
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Cytotechnology
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