研究課題/領域番号 |
15K15688
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
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研究分担者 |
小林 泰浩 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (20264252)
山下 照仁 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 准教授 (90302893)
上原 俊介 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (90434480)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | カルシトニン / カモノハシ / オポッサム / 破骨細胞 / アクチンリング / 骨吸収 |
研究実績の概要 |
カモノハシおよびオポッサムのカルシトニン作用について、破骨細胞を用いた活性測定系で解析した。 1.カモノハシとオポッサムのカルシトニンペプチドをカスタム合成(ペプチド研)し、ヒトカルシトニン、サケカルシトニンは市販品を用いた。破骨細胞のアクチンリングを破壊する作用について、10-14Mから10-8Mまで濃度を振って測定した。サケカルシトニンを基準にして、そrえぞれのカルシトニンの用量作用曲線を作成した。その結果、ED50における、カモノハシ、オポッサム、サケ、ヒトそれぞれの比活性は、2x10-13M、2x10-13M、2x10-13M、3x10-11Mであった。 2.アクチンリングの破壊には細胞内のcAMPの亢進が必要であると報告されているので、それぞれのカルシトニン添加によるcAMP量を測定した。その結果、カモノハシとオポッサムはサケと同様の用量依存性曲線を示したが、同様の作用にはヒトカルシトニンは約100倍の濃度を必要とした。 3.マウスを用いたin vivo実験は行なわなかった。 以上より本年度の成果として、in vitroでのカルシトニン作用を明らかにした。すなわち、カモノハシとオポッサムのカルシトニンは、哺乳類であるヒトのカルシトニンよりも、魚類のサケのカルシトニンと同様の強い活性を持つことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の成果として、in vitroでのカルシトニン作用を明らかにした。すなわち、カモノハシとオポッサムのカルシトニンは、哺乳類であるヒトのカルシトニンよりも、魚類のサケのカルシトニンと同様の強い活性を持つことが示された。
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今後の研究の推進方策 |
破骨細胞を用いたアッセイ系で、骨吸収抑制に対する各カルシトニンの作用を評価する。中枢神経に対するカルシトニン作用の違いは明らかとなっていない。動物を用いた行動評価、カルシトニン受容体を発現させた神経細胞の反応性を今後行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年度助成金から約16万円の次年度使用金が生じた理由としては、研究の進行状況がやや遅れているため、試薬類の購入を次年度にしたためである。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用金の16万円は、試薬類の購入にあてる予定である。
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