本研究の成果として、in vitroでのカルシトニン作用とペプチド構造の相関、さらに生物種の進化におけるカルシトニンペプチドの位置づけを明らかにした。すなわち、カモノハシとオポッサムのカルシトニンは、哺乳類であるヒトのカルシトニンよりも、魚類のサケのカルシトニンと同様の強い活性を持つことが、カルシトニンペプチドのアルファへリックスの含有率に相関していた。また、生物進化の上では哺乳類に属しているにもかかわらず、カルシトニンペプチドの分子進化は、ヒトやブタなどの哺乳類型よりも、むしろサケ型に分類された。
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