研究課題/領域番号 |
15K15697
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
畑 隆一郎 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), その他 (10014276)
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研究分担者 |
前畑 洋次郎 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (80410009)
陽 暁艶 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (90744954)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | がん抑制法 / がん抑制性ケモカイン / がん予防法 / 分子標的予防医学 |
研究実績の概要 |
我々は副作用のない癌の治療法の開発を目的として研究を行い、生体内に存在するケモカインCXCL14/BRAK(以下BRAK)を見出した。癌は多段階の変異によって進展すると考えられているが、BRAKを過剰発現するトランスジェニックマウスは意外にも発癌、移植癌の増殖、転移のすべての段階を抑制する事が明らかになった(Hata et al., Scientific Reports, 2015)。本申請では副作用のない癌の予防法の開発の第一歩として、BRAKの発現ベクター(pLIVEhBRAK)をin vivoで遺伝子導入する事により、現在の癌の一番の死亡原因である転移の抑制を試みた。 実験法 ヒトBRAK発現ベクター(pLIVEhBRAK)のin vivo 導入後の肺のBRAK最大発現時期の決定:発現ベクターpLIVEhBRAKはEndoFree Plasmid Maxi Kit (キアゲン)で精製し、その10 μgを2.1 mLのin vivo 導入試薬(TransIT®-EE Hydrodynamic Delivery Solution)と混合後直ちに C57BL/6JJclマウスの尾静脈より注入した。3日後、1,2,3週間後に肺を取り出し、直ちに液体窒素中で凍結後、Cryopressで粉砕し、mRNA調製分はトリゾールに、タンパク質定量分はRIPAバッファーに溶解する。mRNA画分を精製し、cDNAに変換後Digital PCR装置によりヒトBRAKcDNA量と内在性マウスcDNA量を別々に測定し、内部標準のGAPDHのcDNA量に対する比率を計算してグラフを書き、ヒトBRAKcDNAの最大値を示す時期を決定した。 また、種々の薬剤を注入、或いは経口投与後に悪性黒色腫細胞をマウスの尻尾から注入し、3週間後に肺の転移巣数を計測し、転移抑制をする薬剤をスクリーニングした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験を行っている過程で、ある種の薬剤の投与により悪性黒色腫細胞の肺転移を抑制出来る可能性が得られたので、今後はこの条件の検討を行う。
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今後の研究の推進方策 |
ある種の薬剤の経口投与により悪性黒色腫細胞の肺転移を抑制出来る可能性が得られたので、今後はその薬剤の投与量と回数、悪性黒色腫細胞を注入するまでの時間を検討し、新しいがんの肺転移抑制法確立する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2回目の入金を知るのが遅かったので、前倒しで行う予定の実験が、最初の実験計画通りに行う事になった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度に変更した通りに新しい化合物のスクリーニングを行う 。
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