石灰化誘導性モノマー配合試作レジンセメントを、ヒト抜去歯象牙質の非脱灰歯面および脱灰歯面に接着させ、ミネラル溶液に短期間および長期間浸漬して、モノマーによる接着界面の再石灰化促進作用およびその様式について形態学的観察、X 線回折による結晶学的分析により評価した。さらに、接着性評価により接着界面の長期耐久性について検討した。その結果、象牙質再石灰化誘導性モノマー5%および10%添加セメント、塩化カルシウム5%添加セメントが良好な再石灰化誘導活性及び良好な接着性能を示した。また、塩化カルシウムの35%HEMA処理は、カルシウムイオンの象牙質浸透性を高めることが明らかになった。
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