研究課題/領域番号 |
15K15712
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
道川 誠 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40270912)
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研究分担者 |
赤川 安正 奥羽大学, 歯学部, 教授 (00127599) [辞退]
小野 卓史 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30221857)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 咀嚼機能低下 / 認知機能障害 / 神経細胞死 / BDNF |
研究実績の概要 |
咀嚼機能低下と認知機能との因果関係ならびに分子機構をモデルマウスを用いて解明することを目的にした実験を行った。まず、咀嚼機能低下を、抜歯により誘導した。またリキッドダイエットでマウスをそれぞれ飼育することで咀嚼機能低下を誘導した。 1、APPトランスジェニックマウス(雌性,23匹)を使用した。AD発症後を想定した14ヵ月齢に抜歯(抜歯群13匹,非抜歯群10匹)した。その後マウス死亡により最終的には抜歯群9匹,非抜歯群10匹となった。抜歯から4ヵ月後(18ヵ月齢)にステップスルー型受動的回避試験を行い,屠殺し、脳を回収し、病理学解析ならびに生化学的解析を行うためそれぞれ保存した。結果:ステップスルー型受動的回避試験を用いた学習・記憶機能の評価では、両群に有意差は見られなかった。しかしながら,獲得試行において暗室に入室しない抜歯群マウスが有意に多かったことから、抜歯は認知機能を悪化させていると考えられた。脳内の生化学的な解析は次年度以降を予定している。 2、液状食の認知機能に対する影響の解析:また、通常の餌を水で溶解した液状餌を準備し、固形食と液状食ので飼育した。14週まで飼育し、毎週体重測定を行った。14週後に認知行動試験を行い、記憶能力を評価した。その後安楽死させて脳を取り出し、病理学的解析ならびに生化学的解析を行った。その結果、液状食で飼育したマウスは、固形食マウスに比べて体重の変化は認めなかった。しかし行動試験で有意な記憶障害が明らかになった。脳の形態学的解析、生化学的解析は次年度行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
咀嚼機能低下と認知機能との因果関係ならびに分子機構をモデルマウスを用いて解明する実験において、すでにモデルマウスを使用した実験がそれぞれうまく動いており、認知機能解析まで終了した。これは予定通りである。
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今後の研究の推進方策 |
咀嚼機能低下と認知機能との因果関係ならびに分子機構をモデルマウスを用いて解明する実験において、すでにモデルマウスを使用した実験がそれぞれうまく動いており、認知機能解析まで終了した。これは予定通りであり、今後、得られた脳の生化学的解析を行い、咀嚼機能低下が認知機能障害を引き起こす分子メカニズムの解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
マウス・ラットの購入費ならびに飼育費用が少なくてすんだため、次年度の購入費に当てる予定としたため。また、効率よくサンプル解析が進んだため、抗体購入費が予定より少なくてすんだため。
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次年度使用額の使用計画 |
マウス・ラットの購入を次年度に回すことにした。また、抗体購入を予定より種類を多くして購入する予定にし、現象の全体像を解析できることになった。
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