低濃度でのみ薬剤徐放するドラッグデリバリーシステム(DDS)を開発することにより、抗がん剤など副作用の強い薬剤も効果的に使用可能な、濃度センサー機能を有したDDSの開発を試みた。DDSキャリアとしてリン酸化プルラン(PPL)を、徐放機構のモデル薬剤として抗菌物質CPCを用いたところ、PPLとの複合体にすることにより、わずか100ppmの抗菌物質で優れた抗菌効果を発揮することが明らかになった。一方で、高濃度で調整した複合体では抗菌効果を発現しなかった。これらの結果は、CPC-PPL複合体が、低濃度時に機能し得る濃度センサー機能を有した画期的なDDSの開発に向けて有用な物質であることが示唆された。
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