研究課題
近年,がん微小環境を構成する血管(腫瘍血管)は,がんの進展ならびに治療の経過と共にダイナミックに変化し,正常血管とは異なる多様な性質をもつことが知られている.本研究では,これらの腫瘍血管の異常性獲得メカニズムに関するmiRNAを同定し,がんの浸潤・転移との関連などを明らかにすることを目的としている.昨年度は悪性度の異なる2種類のがん細胞の培養上清から,それぞれexosomeを回収し,そこからmiRNAを抽出し,miRNAアレイにて網羅的発現解析を行った.今年度はがん細胞由来exosomeを血管内皮細胞に処理しmiRNA発現が亢進するmiRNAについて機能解析をおこなった.そのうえで腫瘍血管内皮のmiRNAの標的分子の同定をmiRNAの標的分子の候補をデータベースmiRandaによりピックアップした.さらに当該miRNAのアンチセンスによる阻害,pre-miRNAの導入などに標的分子のmRNAの発現レベルが低下するのかについて検証し,網羅的なシグナル解析ソフトウェアであるIngenuity Systems Pathway Analysis (IPA)を用いてがん間質細胞miRNAの標的分子の機能を調べ,これらの遺伝子の発現低下が間質細胞の機能にどのように関わるのかについて解析を行った.遺伝子発現上昇にどのように関わるのかを細胞増殖能,遊走能,アポトーシスアッセイにより解析をおこなった.また,がん由来exosomeによって運搬されるmiRNAの解析として,がんの培養上清による血管内皮のmiRNAならびに標的分子の発現変化について,それががん由来のexosome中のmiRNAの取り込みによるものなのか,血管内皮側の転写亢進によるものかなどを検討した.
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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