研究課題
線維性骨異形成症(FD)は正常な骨が幼若な骨・線維組織によって置換される疾患で、骨の膨隆・変形や病的骨折を主症状とする。本疾患の原因としてはFDを一徴候とするMcCune-Albright症候群における遺伝子解析からGNAS1遺伝子における201番アルギニンのシステインの点変異が知られている。FD発症の細胞生物学的機序を解明し薬剤候補加工物選定を実施するため、FDと同様の遺伝子変異を持つiPS細胞の作製を昨年度に引き続きおこなった。具体的にはヒトiPS細胞(253G1)にCRISPR/Casシステムを用いたゲノム編集を実施し、点変異(Arg201Cys)を有するGNAS1変異導入iPS細胞株の樹立を試みた。しかし得られたクローン株の遺伝子を解析するとヘテロ変異が導入されたクローンのみでホモ変異が導入されたクローン株は樹立できなかった。そこで得られたヘテロ株を活用し、ゲノム編集操作が細胞に与える影響を除外する為にゲノム編集を試みたが変異が組み込まれなかった細胞株をコントロールとして、これらの細胞をアスコルビン酸、シクロパミン、グリセロリン酸、デキサメタゾン、SAG、Helioxanthinを添加した骨芽細胞分化培地で培養したときの細胞特性をアルカリフォスファターゼ染色、Von Kossa染色で評価している。この評価系はFD患者で亢進しているAP活性、石灰化の特性をレスキューするFD治療薬の候補となる化合物のスクリーニングに有用と考えられ、この系を利用した化合物のスクリーニングを実施している。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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