研究課題
本研究はヒト口腔粘膜上皮におけるタイトジャンクション(tight junction: TJ)の分布や構造、TJ直下の樹状細胞、免疫担当細胞を3Dで同時に観察できる方法を確立することが第一の目的である。TJ構成蛋白質にはclaudinファミリー蛋白があり、表皮においてはClaudin-1と-4が発現していることが既に示されている。平成27年度は抗Claudin-1抗体に加え、TJ裏打ち蛋白である抗ZO-1抗体を用いて、野生型マウス口腔粘膜上皮を各種抗体で染色後、共焦点顕微鏡で観察し、TJが最適に観察できる抗体希釈濃度、染色時間などの条件を検討した。結果はマウス耳介上皮で既に確立されている染色方法ではマウス口腔粘膜上皮のTJを観察することができなかったため、染色時間を2日延長することで共焦点現鼻鏡でTJ構造の観察は可能となった。しかし、3D構築ソフトを用いた立体構造観察では鮮明なデータを得ることができなかった。今後、ソフト処理や撮影条件を検討する必要があると思われる。次年度は、マウス口腔粘膜上皮をより鮮明に観察する条件を検討、確立し、その手法にてヒト口腔粘膜における最適な染色条件を確立することが目標となる。
2: おおむね順調に進展している
マウス口腔粘膜上皮においても耳介上皮と同様にTJの三次元構造を確認することができたため。
本研究は今後、ヒト口腔粘膜上皮におけるTJ構造を観察する予定である。そのため、試料提供を受ける際に、慶應義塾大学医学部倫理委員会へ実験計画が適切な計画であることを承認申請しなければならない。
当初の使用予定よりも安価に機器及び試薬の購入が可能であったため。
次年度の実験実施に伴い、適切に使用する。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
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