研究実績の概要 |
コラーゲン結合タンパク質Cnm (WT) のコラーゲン結合ドメインはそのアミノ酸配列からN1, N2, Linker, Latch の4つのドメインから構成されている。SPring-8にて収集したCnm (WT) のX線回折データをもとに、Cnm (WT) のコラーゲン結合ドメインの立体構造をX線結晶構造解析によって決定した。Latch はN1ドメインと相互作用していたが、Linkerは構造決定できずフレキシブルな構造を形成していると考えられた。一方、コラーゲン結合タンパク質Cbm (WT) については結晶を得ることができなかったため、アミノ酸配列を基に構築したCbm (WT) のSWISS-MODELにより、Cnm (WT) とCbm (WT) のモデル構造を重ね合わせて比較し、N2内のループの1つを除いて一致することが明らかとなり、Cnm (WT) とCbm (WT) 間に機能的な差異がある場合はこの部位が関与している可能性が示唆された。続いて、コラーゲン結合ドメインの機能解析を行うための解析系の確立を目指した。本年度はCnm (WT) とCbm (WT) を用い、基質、タンパク質、抗体等の種類や濃度、反応時間について繰り返し検討し、最適条件を見出し、collagen-binding-assay法を確立することができた。今後は、これまでに作製した変異体を用いてcollagen-binding-assayを行い、各ドメインの機能について順次、解析を行っていく予定である。
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