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2015 年度 実施状況報告書

抜歯後の骨量の減少を防ぎ、増量を図る

研究課題

研究課題/領域番号 15K15750
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

西川 哲成  大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (70140209)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード骨増生 / 抜歯 / サンゴ / 新生骨 / 足場材料
研究実績の概要

ビーグル犬の下顎骨の左側臼歯(前から5と6番目)を抜去した直後、ガーゼによって圧迫し、圧迫を行わない右側臼歯を対照群とした。イヌを犠牲にする7日と4日前にそれぞれカルセイン、アリザリンを投与し、埋入後25週と50週において安楽死させ、下顎骨を摘出しフォルマリン固定を行った。未脱灰の骨標本は共焦点レーザ走査顕微鏡を用いて新生骨を観察した。結果、抜歯後圧迫した場合としなかった場合において骨量に差がなかった。抜歯窩で他の部位とは異なる新生骨あるいはリモデリングが観察された。
ビーグル犬の左側大腿骨に骨髄に達する直径4.3 mmの実験的欠損部を作り、サンゴブロックを埋入し、多孔性フィルターで被覆後、縫合した。イヌを犠牲にする7日と4日前にそれぞれカルセイン、アリザリンを投与し、埋入後25週と50週において安楽死させ、大腿骨を摘出し、骨標本は共焦点レーザ走査顕微鏡を用いて新生骨を光学顕微鏡を用いてとサンゴブロックの生体吸収を観察した。結果、25週と50週ではサンゴブロックを埋入することにより大腿骨表面の増生および骨髄での新生骨形成が認められ、埋入したサンゴブロックは消失していた。この骨によりサンゴブロックは生体吸収性で、骨量の増加を誘導する足場材料であることが推察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

抜歯窩あるいは実験的欠損における骨増生の研究では長期観察が必要であり、6か月と1年の観察を先に行った。サンゴブロックの埋入によって骨の増生が認められ、また埋入した足場材料の生体による吸収が認められた。今回、このサンゴブロックによる骨増生に関し特許申請を予定しており、研究発表を慎重に行うこととした。

今後の研究の推進方策

抜歯の骨量に関するガーゼ圧迫の影響は、抜歯後数か月までの変化を中心に行い、さらに血液凝固剤の応用や骨足場材料の埋入なども検討する。
実験的骨欠損部において埋入したサンゴブロックの生体吸収のメカニズムを検討する。
インプラントの上顎洞の拳上術を想定し、頭蓋骨に欠損部を作製し、前頭洞のサンゴブロックによる骨増生を試みる。

次年度使用額が生じた理由

イヌの飼育ための手続きと許可が遅れ、結果的にイヌに関する実験が28年度にづれこみました。
特許申請を予定しており、論文公表に制限がかかったため発表・印刷の費用が28年度に使用することとなりました。

次年度使用額の使用計画

イヌの実験の組織学的な観察(脱灰・非脱灰標本の作製と染色を含む)と解析に関する費用に使用します。
印刷・発表の費用に使用します。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Tissue affinity and bioabsorption to fine calcium carbonate particles.2015

    • 著者名/発表者名
      Nishikawa T, Okamura T, Tominaga K, Wato M, Kurioka K, Morita S, Imai K, Tanaka A
    • 雑誌名

      Nano Biomedicne

      巻: 7(1) ページ: 21-27

    • 査読あり
  • [雑誌論文] in vitroにおける共培養された正常皮膚線維芽細胞および正常臍帯静脈内皮細胞のミトコンドリア活性に各種歯の貯蔵液に添加した4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acidが与える影響2015

    • 著者名/発表者名
      岡村友玄、西川哲成、和唐雅博、富永和也、大草亘孝、田中昭男
    • 雑誌名

      日本外傷歯学会雑誌

      巻: 11(1) ページ: 36-45

    • 査読あり
  • [学会発表] Coral as a scaffold inducing bone augmentation and bioabsorption on rat skulls2015

    • 著者名/発表者名
      Nishikawa T., Tanaka A
    • 学会等名
      The 18 ICOI Asia-Pacific Section Congres
    • 発表場所
      Siem Reap, Cambodia
    • 年月日
      2015-11-12 – 2015-11-16
    • 国際学会
  • [学会発表] 3種類の多孔性材料を足場として三次元培養したヒト毛細血管の長期観察2015

    • 著者名/発表者名
      岡村友玄、西川哲成、和唐雅博、富永和也、今井弘一、田中昭男
    • 学会等名
      第57回歯科基礎医学会学術大会
    • 発表場所
      朱鷺メッセ(新潟県、新潟市)
    • 年月日
      2015-09-13 – 2015-09-13

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公開日: 2017-01-06  

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