研究課題
研究目的 う蝕、歯周疾患、嚢胞そして腫瘍などで歯を失った症例では、顎の骨量が減少するため、義歯の維持やインプラントの適応が困難となることが多い。そこで、骨量の減少を防ぎ、さらには骨量の増加を目的とした抜歯後処置を検討することが目的である。本実験では、 抜歯後の処置として、抜歯後の足場材料の応用について骨量に与える影響の観点から3つを検討する。なお、組織再生に際し自家移植を試みる場合の組織の最適な保存方法を求めた。 研究方法 琉球大学理学部より提供を受けた培養によって得られたエダコモンサンゴをCAD/CAMシステムで抜歯予定のビーグル犬下顎臼歯の歯根と同じ形態に削合した。ビーグル犬の左側下顎骨の臼歯を抜去した直後、削合し形態を一致させたサンゴブロックと円錐形のサンゴブロックを埋入し、縫合した。また対照群として右側下顎骨の臼歯を抜去した直後、何も埋入することなく縫合した。これらは抜歯直後、4週後、8週後にX線撮影を行いサンゴブロックの残存と骨量の変化を観察した。また、抜歯後7週後にカルセインそしてアリザリンを投与し、抜歯後8週後にビーグル犬を犠牲にし、下顎骨を摘出したのち、未脱灰標本を共焦点レーザ走査顕微鏡(CLSM)で新生骨を観察した。 組織再生での保存方法としてヒト歯肉線維芽細胞を用い培養液や温度によるミトコンドリア活性から最適な条件を検索した。研究結果 ビーグル犬の左側下顎骨の臼歯を抜去し、円錐状のサンゴブロックを埋入した場合と比較し、抜歯臼歯の歯根と形態を一致させたブロックのほうが早く消失し、埋入後4週でX線観察ではサンゴブロックはほとんど観察されなかった。何も埋入しなかった対照群の右側下顎骨の臼歯を抜去した場合と比較し、骨量の減少の抑制が認められさらに骨の増量が認められた。なお、組織再生の最適な保存方法は経静脈栄養液を用い37度で保存する方法が活性は温存されていた。
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