歯を失った症例では、顎の骨量が減少するため、義歯の維持やインプラントの適応が困難となる。そこで、骨量の減少を防ぎ、さらには骨量の増加を目的とした抜歯後の処置として、抜歯後のガーゼによる圧迫止血、サンゴの骨補填材埋入が骨量に与える影響を検討した。ビーグル犬の下顎骨の左側臼歯を抜去した直後、ガーゼによって圧迫、サンゴ埋入を実験群、圧迫を行わない右側臼歯を対照とした。埋入後、下顎骨を摘出した。下顎骨はX線で骨密度を測定するとともに共焦点レーザ走査顕微鏡で新生骨形成の組織学的観察を行った。今回ガーゼによる骨量への影響は認められなかったが、サンゴによる骨補填剤を用いることにより骨増生の効果があった。
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