これまでに、IgA腎症患者の口腔内には、菌体表層にコラーゲン結合タンパク(Cnm タンパク)を発現する Streptococcus mutans 株が高頻度で存在することを明らかにした。本研究では、IgA 腎症患者の臨床所見を検討した結果、Cnm 陽性 S. mutans 株保有者では、う蝕経験歯数およびタンパク尿の検出率が有意に高いことが明らかとなった。また、う蝕モデルラットに対して IgA 腎症患者より分離した Cnm 陽性 S. mutans 株を口腔内に定着させて重度のう蝕を誘発後に摘出した腎臓の解析から、Cnm 陽性 S. mutans 株の IgA腎症との関連性が示唆された。
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