研究実績の概要 |
顔の表情は,社会生活において感情や思考の伝達を行う上で非言語コミュニケーションの手段として重要な役割(機能)を果たす.顔軟組織の経年変化を考慮した表情表出時の顔の3次元トポグラフィーの定量評価手法を確立することで,加齢に伴う皮膚の運動力学的特性の変化を反映させたオーダーメイドの矯正歯科治療(顎顔面の形態と機能の改善)の実現が可能になる.そこで本研究の目的は以下の通りである.(1)三つの年齢群(Preadolescent群, Young adult群, Elderly群)について,安静時と表情表出時の三次元顔面軟組織形態を記録することで,表情表出に伴う顔面軟組織の変化を解析する;(2)安静時の顔軟組織の粘弾性並びに保水量も計測することで,前記の計測変量と併せて,3群の識別に有効な要素(特徴変量)を明らかにする;さらに,(3)前記の特徴変量を用いて,加齢の程度を判別できる表情表出予測の数理モデル化を行う. 本年度は、健康な成人女性7名(年齢範囲20-65歳)を対象とし、顔の皮膚の水分量・水分蒸散量・硬さ・粘弾性・色彩・血流量を計測し、顔の加齢変化を検討するための指標を検討した。 結果については以下発表予定である。 ・築野喜和子、谷川千尋、岡本圭子、中村裕行、柏田紘明、高田定樹、高田健治:顔の皮膚および皮下組織の物理性状と血流動態の加齢による変化:方法論の検討、第16回日本抗加齢医学会総会、横浜、2016年6月10-12日
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