研究課題/領域番号 |
15K15774
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山下 喜久 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20192403)
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研究分担者 |
竹内 研時 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10712680)
竹下 徹 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50546471)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 歯学 / 細菌 / 口腔マイクロバイオーム / 頭頸部がん / 消化器がん |
研究実績の概要 |
本年度は九州大学医系地区および国立病院機構九州がんセンターにおいて臨床研究倫理審査委員会に研究計画を申請し本研究についての実施許可を得た。九州がんセンターにおいて対象となるがん患者の登録を開始し30名について本研究に関する同意を取得したのち口腔診査および検体採取を行った。採取した検体については九州がんセンターに設置したフリーザーにて冷凍保存し、検体数がある程度蓄積するごとに九州大学歯学研究院口腔予防医学分野に移送した。各検体からビーズ破砕法を用いた細菌DNAの抽出を行い、口腔診査等で得られた患者情報についてはデータファイルに纏めた。対照群については取得した細菌16SrRNA遺伝子の塩基配列についてリバースプライマー配列の有無の確認を含むクオリティチェックの手順を確定し、がん患者群の解析が完了し次第比較解析を行うことができるよう準備を進めた。真菌の定量系については従来の真菌共通配列を用いた系に加えCandida属共通配列をプライマーとしたSyber Greenを用いた定量PCR法による解析系について条件設定を確定するとともに、intertranscribed spacer region (ITS)-2領域を用いた真菌構成解析系についての検討を行った。またヒトパピローマウイルス(HPV)の解析系の確立に向けてHPVの様々な型を網羅的に検出することが可能なプライマーセットであるPGMY09およびPGMY11での解析系の条件設定について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は対象となるがん患者30名を登録し口腔診査および検体採取を行うことができた。採取された検体については細菌DNAの抽出も完了した。対照群については既に全ての検体について含まれる細菌16SrRNA遺伝子の塩基配列を取得し比較解析の準備は完了した。一方で倫理審査委員会から実施許可を得るのに時間がかかり被験者の登録開始が遅れたため対象者の登録人数が想定より遅れていることから、達成度は「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は被験者の登録、口腔診査および検体採取、検体からのDNA抽出を継続する。検体数が100検体を越え次第、各DNA検体を鋳型として16S rRNA遺伝子を増幅し次世代シーケンサーを用いてがん患者の細菌構成を明らかにする。また真菌、ヒトパピローマウイルスについても検討を行う。対照群から年齢、性別等をマッチングさせた検体を抽出し、微生物構成の比較を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
被験者の選出がやや遅れており、細菌構成解析が十分に進まなかったため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究費についてはDNA抽出精製関連試薬、PCR関連試薬、次世代シーケンサーION Personal Genome Machineを用いた解析における半導体チップ、試薬等の消耗品への利用を予定している。
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