キャプチャライブラリキットSureSelectQXT(アジレント)を用いてNGS・Miseq システムでABO式血液遺伝子型、ミトコンドリアDNA型(mtDNA型)およびHaloPlex遺伝性不整脈関連心疾患リサーチパネル19遺伝子領域のSNP解析(遺伝性心疾患)の同時解析について検討した。 研究に用いた試料は、昨年度、ABO式血液遺伝子型とmtDNA型の同時解析が可能であった10例に、新たに4例加え、計14例用いた。 NGS・Miseqシステムに用いる際のABO式血液遺伝子型判定用およびmtDNAの全領域解析用のキャプチャプローブは、mtDNAの過剰増幅を避けるために、核DNAとmtDNAのプローブ比を100:1とした。また、遺伝性疾患のプローブはHaloPlexキットを使用した。 DNA試料の調整はSureSelect QXT Reagentsキットのプロトコールに従い、ターゲット領域をトランスポゼース方式により濃縮し、NGS・Miseqを用いてシークエンスを行った。遺伝子解析は、遺伝子型判定は解析ソフトSuerCall(アジレント)を用いて行った。 その結果、ABO式血液遺伝子型、mtDNA型および19遺伝子領域のSNPの同時解析はすべて可能であった。 ABO式血液遺伝子型判定では、第9染色体のCoding領域すべてを解析し得たことで、型判定に必要であるエクソン6および7以外の領域にも変異を認めた。また、mtDNAの全領域を解析し系統を調べたところ、13系統に分類された。遺伝性疾患におけるSNP数は193~245認められた。遺伝性不整脈関連心疾患領域を検査に加えることにより、変異プロファイルが多く検出され、識別精度の向上が確認した。
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