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2015 年度 実績報告書

看護観察の質評価・改善のための方法論開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K15785
研究機関東京大学

研究代表者

水流 聡子  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80177328)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2016-03-31
キーワード状況の揮発性 / 看護観察 / 臨床看護知識 / 構造化 / 標準化 / 質評価 / 質マネジメント
研究実績の概要

急性期病院における看護観察から可視化・共有化される患者状態は、医療者にとって非常に有用で,医療の質安全上重要な情報といえる.しかしながら,必要な観察項目が網羅されているか,また必要とする観察が実施されているかについてあきらかにできているとは言い難い.もし必要とする観察が実施されていなければ,情報が欠落したまま医療者は当該患者状況を想定することになり,判断ミスを発生させるリスクがある.録がないものを後追いで可視化することは困難である.つまり、医療における「状況の揮発性」という問題が実在することになる.本研究では、看護観察の欠落状態から看護観察の質評価をする方法論を開発する.また看護観察の改善に向けたPDCAサイクルが回る改善モデルを開発する.
某県14病院の協力を得て,直近の胃がん手術患者で合併症・問題事象の発生した症例を選択し,看護ナビコンテンツで導出された術後急性期の「標準観察項目」を調査項目とし,術後急性期の期間の看護記録内に記載されていた看護観察項目をチェックする調査を実施した.その結果,バイタルサイン・インアウトに関する記録率は高かったが,症状に関する記録率は,10%~64%(平均29.5%)という低い記載率であった.
約1000床のA急性期病院は看護ナビコンテンツを臨床で活用することを決定した.A病院は看護ナビコンテンツを標準看護計画として日常的に運用できる情報システムを構築した.某病棟において調査した結果,毎日の情報収集時間が30分以上必要とする看護師率が,45.8% から 4%に減少していることがあきらかになった.
看護観察の質評価をするための方法論が完成した.またこの評価結果により,病院の看護が観察計画の質を問題とし,臨床看護知識を活用した結果,一定の改善効果が確認されたことから,PDCAサイクルを回し始める評価方法となっていることが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Quality Evaluation of Nursing Observations based on a Survey of Nursing Documents using NursingNAVI® Contents in JAPAN2016

    • 著者名/発表者名
      Satoko TSURU, Miho OMORI, Manami INOUE and Fumiko WAKO
    • 雑誌名

      The 13th International Congress on Nursing Infomatics 2016

      巻: 13 ページ: 1-5

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Quality Evaluation of Nursing Observations based on a Survey of Nursing Documents using NursingNAVI® Contents in JAPAN2016

    • 著者名/発表者名
      Satoko TSURU, Miho OMORI, Manami INOUE and Fumiko WAKO
    • 学会等名
      The 13th International Congress on Nursing Infomatics 2016
    • 発表場所
      ジュネーブ, スイス
    • 年月日
      2016-06-27 – 2016-06-29
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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