2012年度の診療報酬改定でも在宅医療重視の方向性が示され、今後ますます在宅医療は増加していくことが予想される。加えて、感染対策防止加算の見直しも行われ、地域の医療機関同士の連携による感染対策の推進を重要課題として指示している。在宅で療養をおくる、特に高齢者の方たちに対し、栄養チューブや吸引チューブの管理が適切かつ簡潔に行える方法の開発は安全な在宅療養へとつながると考えられる。 カテーテル素材として用いられているシリコンを用い、実験を行った。 シリコンシートをパンチしてシリコンディスクを作成し、オートクレーブで121℃、20分間滅菌した。シリコンディスクを滅菌96well プレートの各wellにいれ、さらに牛血清で処理した。シリコンディスク上に緑膿菌の懸濁液を加え、30℃48時間培養しバイオフィルムを形成させた。その後、サフラニン染色でバイオフィルムの形成を確認した。また、FilmtracerTM Biofilm stainsでも染色しバイオフィルムの形成を確認した。 シリコンディスクの代わりにELISPOTプレートを用いてバイオフィルムの形成を試みたが、染色の際に非特異的な反応がみられたため、その後の実験には使用しなかった。 バイオフィルムの効果的かつ簡便な除去方法に関して、高齢者や一般の人が家庭でも手軽に手に入れることが可能である、クエン酸、食酢等を用いて、検討を行った。コントロールとして次亜塩素酸ナトリウムを用いた。次亜塩素酸ナトリウムと同等のレベルでバイオフィルムが除去できるかの検討を行っている。安定した結果が得られておらず、引き続き検討をしていく必要がある。
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