研究課題
が国の超高齢化に伴い、急性期病院では認知症の行動・心理症状(BPSD)やせん妄のある高齢者が増加して看護師はさまざまな困難な状況に遭遇している。急性期病院の認知症高齢者の研修などが実施されるようになったが、ベストプラクティスのモデルやアウトカム評価がなされていない。申請者は平成24年~26年度萌芽研究で急性期認知症看護モデルと急性期認知症看護尺度を開発した。本研究では、急性期認知機能障害高齢者モデルをもとに急性期におけるベストプラクティスをめざした戦略的ベンチマーキングの開発と地域におけるケアネットワークシステムの構築を目的とする。本研究は急性期病院の臨床看護師からも早急に実施してほしいとの要望に基づいたもので、従来の身体拘束や抑制に対する挑戦的取り組みでもある。1急性期認知症看護ベンチマーキングの開発:多施設ベンチマークに関する評価では『急性期認知症看護尺度』を用いて、指標のレーダーチャートやグラフ化などアウトカム評価方法を開発、同尺度以外にも急性期認知症看護の指標(患者に焦点を合わせたアウトカム指標:認知症診断率、身体拘束率、看護ケアに対する高齢患者・家族の満足度、認知症看護の指標:看護師の認知症高齢者看護に対する満足度、急性期認知症看護尺度、認知症高齢者に対する知識・研修など、ケアの構造指標:看護人員配置パターンなど)を抽出した。2ベンチマーク評価システムの開発:現在、浜松市内地域5病院は、認知症高齢者に対するケアの質向上に向けて、研修・教育を実践している。同病院を対象に、ベンチマーキングを用いたPDCDサイクルの手順にそって、各病院の強さ弱さを引き出し、問題点を整理して目標や教育・研修システム、施設内研修や施設内の組織改善に向けて必要な急性期看護の指標を確定した。
2: おおむね順調に進展している
おおむね良好であるあり、平成28年度は具体的なベンチマーキングを本格的に開始する。
ベンチマークの展開:浜松市内地域5病院を対象にベンチマーキングを用いて、各病院ではPDCAサイクルの手順にそって、各病院の強さ弱さを引き出し、問題点を整理し、目標や教育・研修システム、施設内研修や施設内の組織改善に向けて必要な急性期看護の指標を確定し、ベストプラクティス、データ分析、結果から発見したことの適応・改善・実行を実施する。・他施設の違いから、自施設の強みと弱みを把握し、自施設での看護実践の改善結果を経年的に把握し、評価する。・急性期認知症ケアネットワークの構築:3年間のベンチマークを展開しながら、参加している病院の分担研究者および連携研究者、その関係者と急性期認知症ケアネットワークを構築するために会議を開催する。
平成28年度は本格的なベンチマーキングを実施する予定であるが、平成28年度の予算が申請よりも削減されていた。そのために平成27年度の準備に関する予算を節約し、平成28年度に移行させた。
平成28年度に実施するベンチマーキングを展開させるための調査員などの謝金やデータ入力の費用とする予定である。
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