研究課題/領域番号 |
15K15793
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
福録 恵子 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (90363994)
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研究分担者 |
種田 ゆかり 三重大学, 医学系研究科, 助教 (00444430)
成田 有吾 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50242954)
前田 正幸 三重大学, 医学系研究科, 教授 (70219278)
高瀬 伸一 三重大学, 医学部附属病院, 主任診療放射線技師 (70422847)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 静脈穿刺技術 / システム開発 / 血管・神経走行パターン / ガイドライン |
研究実績の概要 |
本研究の全体構想は、静脈注射における神経損傷回避のため「静脈穿刺ナビゲーションシステムの開発」を目指すものである。3次元神経イメージ走行および静脈穿刺ハイリスクエリアを表示するアルゴリズム構築の実現化に向け、2年目となる平成28年度は、昨年度に引き続き、前腕部3次元MRI画像を取得するための準備段階として、MRI撮影時を想定した同一体位保持の検討に着手した。 具体的な検討内容は、実物と同サイズの模擬MRI装置を作成し、装置内で15分間の安静臥床に引き続き、左上肢を装置中央に位置するよう体位を調整し、20分間体位保持した状態で、前腕部と胸骨柄に3軸加速度センサーを装着し、体幹と上肢の動きを測定した。またワイヤレス生体センサーを用いて、心拍変動解析からストレスの程度を測定した。同時に、平成27年度に検討したチューブマーカーを装着したうえで、同一体位保持による主観的状態(疼痛・しびれ感・不安定感)の程度を部位毎にVASで測定した。 20名の対象者から測定したデータより、今回設定したポジショニングにおいて、ほとんどの者が苦痛を伴うことなく、20分間の同一体位保持が可能であることが確認できた。生体センサ-による客観的指標としてのストレスと主観的指標となる部位別の疼痛・しびれ感・不安定感の程度との間に相関は認められなかった。また安静臥床時と体位保持時でのストレス状況を比較したところ、体位保持開始から5分間で安静時より有意にストレスを感じる者が12名と全体の半数を占めたが、時間の経過とともにその割合が減少した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MRI撮影時に伴う不自然な同一体位保持が画像解析を左右することから、MRI撮影時と同一環境でポジショニングによる上肢の動き、ストレスを検討する必要が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、検討したチューブマーカーならびにポジショニングにおいて、MRI撮影を行い、前腕部3次元変換画像を用いて、血管・神経走行の実空間情報を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
進捗状況の遅れに伴い、MRI撮影回数が少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
H29年度に行うMRI撮影にかかる費用に使用する予定である。
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