研究課題/領域番号 |
15K15795
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
若村 智子 京都大学, 医学研究科, 教授 (40240452)
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研究分担者 |
米浪 直子 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (70291979)
堀田 佐知子 京都文教大学, 臨床心理学部, 講師 (00347535)
山下 舞琴 京都光華女子大学, 健康科学部, 助教 (30757183)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 交代性勤務 / 生体リズム / 光環境 / 仮眠 |
研究実績の概要 |
看護師の交代制勤務後の効果的な仮眠の方法のとり方、およびその後の行動に注意を促す必要性があるかどうかを検討するために、夜勤後の日中の仮眠時の光環境の違いが、その後の覚醒時の認知パフォーマンスにどのような影響があるのかを検討した。 健康な成人12名を対象に、2泊3日の仮眠実験を2回行った。0時~8時までの模擬夜勤を行い、2日の10時~16時までの6時間の仮眠をとった。仮眠時の光環境を、明るい部屋で仮眠をとる群(Bright群)と、暗い部屋で仮眠をとる群(Dim群)の2つにわけた。仮眠後の夜間は、0時~7時まで暗黒環境で睡眠をとった。Cogstate reserachを用いた、認知パフォーマンステストを行い、2群間でのパフォーマンスレベルを比較した。 仮眠後の選択反応課題における反応時間は、Bright群がDim群と比べて高く(p=.047)、正確性はDim群がBright群に比べ有意に高かった(p=.001)。また、活動計で判定した睡眠の質は、Bright群では、仮眠時の睡眠時間で有意に短かった(p=.021)。しかし、夜間睡眠時には両群で有意な差はなかった。質問紙の結果からBright群で仮眠後の夜間睡眠前で、注意力が低い傾向にあった(p=.067)。 明環境での仮眠は、仮眠時間の延長を防ぎ、生体リズムの位相後退を抑える可能性がある一方で、仮眠後の注意力の低下が認められた。この結果から、夜勤が連続しない場合は、生体リズムを維持するという観点から、明環境下での仮眠を進めることが望ましいと考えられた。結論として、シフト形態に合わせた夜勤後の日中の仮眠時の光環境を選択することの必要性が示唆された。 実際の看護師の生活からは、翌日の仮眠の長さがこのプロトコルでは長過ぎるという意見もあり、実用化に向けては、さらなる探究が必要であることが明らかになった。
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